遺言書の作成

 

遺言は、自分が死んだ後の財産や身分関係について、予め意思表示しておく行為であり、判断能力があるうちにしか書くことはできません。

認知症のように判断能力が低下した後には、遺言書を書けなくなります。

 

ですから、もしも遺言を書きたいと思っている方は,ぜひともご自分が元気なうちに有効なものを用意しておきましょう。

 

遺言は、民法の中でその様式が厳格に定められています。

遺言には、いくつかの種類がありますが、一般によく使われるのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。

 

【遺言の種類】 

・自筆証書遺言; 遺言者が、全文・日付を自書し、署名・押印したもの。

・公正証書遺言; 遺言作成には公証人・証人2名の関与が必要で、原本は公証役場に保管されます。

 

 このうち、自筆証書遺言は、気軽に一人で作成することができます。公正証書遺言と比べると、費用も掛かりませんし、手続きも簡単です。

 

その代わりに、その内容を誰もチェックしませんので、実は法的要件を満たさずに、無効となってしまうかもしれません。さらに、紛失・偽造・隠匿の恐れがありますし、また、そもそも誰からも発見してもらえない心配もあります。

 

そして、自筆の遺言書の最大のデメリットは、遺言書を発見した相続人は、裁判所に検認という手続きを申し立てる必要があるのです。

 

検認の手続きには、最低1~2か月がかかってしまい、その間相続の手続きは全く進まないことになってしまいますし、お手続きは煩雑になります。

一方、公正証書遺言は、遺言の作成に公証人が関わりますので、無効となる恐れは一切ありません。

公証人と証人2人の面前で遺言の文面を確認しながら作成され、さらには、原本は公証人役場で保管されますので、安心です。

 

ですが、公正証書遺言の作成には、費用がかかりますし、遺言の内容を公証人と証人に知られてしまいます。

ですので、証人は士業などの職務上守秘義務のある方に頼むのがよいでしょう。

 

ところで、遺言書を書くことによって、かえって相続が争族になってしまう場合があります。

それは、法定相続人には、「遺留分」という最低限相続できる権利がありますので、遺言の内容が遺留分を侵害するものであった場合、遺留分減殺請求権を行使されることがあるからです。

 

相続人同士の争いを未然に防ぐための遺言書の作成は、遺された家族に対する思いやりの一つです。

 

遺言の作成を通じて、ご家族への愛する気持を伝えてみませんか。

 


まずは、お気軽にご相談ください。


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